エム・ヴイ・エム商事がベビーリーフを日本に初めて持ち込み、初めて国内で栽培して販売した会社だということは以前にお話したこと*1があったと思いますが、今日はベビーリーフの品種名の由来についてお話しようと思います。
2018年の現在、ベビーリーフにはたくさんの品種があるのですが、20年前からMVMのベビーリーフの品種には「デトロイト」と呼ばれているものがあります。葉脈が赤色のベビーリーフミックスでは人気の品種です。
元々はスイスチャードの改良種で、和名ではフダンソウ(不断草)。甜菜(さとう大根)やテーブルビートなどと同じ仲間だったのですが、ベビーリーフの品種としてはすっかり「デトロイト」という名前が定着してしまいました。現在市場に出回っているスイスチャードとは、見た目は似ているのですが、デトロイトとは味や食感は違うので、食べると直ぐにわかります。
この「デトロイト」という名前の由来をご存知でしょうか?
実はこの「デトロイト」という名前は私たちが付けました。というよりも、本来はもっと英語の長い長い名前だったのを、英語で聞き取れた「~デトロイトダークレッド(detroit dark red)~」というところだけを拾い、それが会話の中でもっと短くなって「デトロイト」となったのです。深い意図はなく、ただ生産者や種苗会社のみなさまとのやり取りで「デトロイト」と使っていたのがはじまりだったのが、現在ではすっかりポピュラーになってて…(笑)
もうひとつ、私たちが名付け親となった品種は「ピノグリーン」です。
デトロイトよりも少し後に出現した「ピノグリーン」。ベビーリーフの品種を探して試作を繰り返していた頃、種苗会社の方が小松菜の幼葉も良いのはないかと種を持ってこられて、試作でできあがった葉を食べるととてもジューシーで美味しかったので、直ぐにこの品種を採用しようと決め、生産者の方と一緒に考えた一番最初の名前が「ピッコロピノヴェルドゥーレ(piccolo pino verdura)」でした。これイタリア語なんですが…(笑) しかしながら、まぁデトロイトと同じで、会話の中で「ピッコロピノヴェルドゥーレ」は長くて言いにくく「ピノ」と呼んでいたのです。でも生産者の方も私たちにも「もっと長い名前だったんだけど、なんだっけ?」って言う思いがあって、なのに覚えられなくて、とっさに正式名称を聞かれたときに「ピノ」のあとに覚えやすい「グリーン」をつけて「ピノグリーン」と口からでたのがはじまり(苦笑)、いい加減な話ではありますがが、それだけにMVMにとっては愛着のある品種なのです。
「デトロイト」も「ピノグリーン」もすでに検索するとズラリとデータが並びキーワードとして市民権を得ているようで、たかが呼び名のことではありますが、なんだか嬉しいです。そして、次はどんな葉がベビーリーフの品種に加わるのでしょう?楽しみです。