GREENLAND

エム・ヴイ・エム商事株式会社の扱う野菜・果物に関する商品や産地、販売情報から、生産者、栽培方法、旬、栄養、保存方法、レシピ、美味しいお店、果ては会社や仕事の、楽しさ、新たな発見、感動、熱い想いなどなどをスタッフが綴るブログ。

1.17

亡くなった人のことを不思議なほど思い出す日があって、なにげない日常の中でその人の気配を感じたりする日ってないですか?

私にとって1.17はまさにそういう日で、もう儀式に近い。それはもう悲しみではなく、ただ浄化されてゆくばかりの記憶になっているのだけど、フッと込み上げてくるこの感情は、きっと亡くなった人からの「贈りもの」なのだといつからか思うようになった。そうすると「肉体は滅びても、こんなにも私の中であなたは生きているんだ」と伝えたくなってしまう。

6,434人が亡くなり、負傷者は4万人以上、約64万棟の住宅が全半壊したという甚大な被害が出た「阪神・淡路大震災」。24年という歳月が過ぎて、あの日のことを語り継ぐ経験者も減り、半数が震災を知らない世代となったと今朝のニュースで言っていた。

私、あの頃はまだ若かった。すごく寒い日だったのにたくさん歩いた。すべてが壊れ崩れてしまった世界の記憶は強烈で、未だに上手くあの記憶から受けた感情を表現することができないまま24年が過ぎてしまった。
1.17が近づくと、毎年のようにあの日の体験談を聞いたり、聞かれたりするのだけど、おもちゃのように壊れた建物や墜ちる高速道路や瓦礫、そんな中で私が生きていた時間や場所のことを話そうとしても、気持ちが上手くついてこない。あれから劇的に進歩した映像記録の迫力などを目の前にすると、その生々しさに結局は沈黙してしまう。
まして、あれから全国各地で東日本大震災熊本地震といった大きな災害が次々と起こって…、その計り知れない状況を想像すると尚のこと、沈黙しかなくなるのです。

とても感覚的なことを伝えるためにはどうすればいいのだろう。理屈で説明できないことを説明しようとする難しさに何度も挫けてしまっている。
感覚的に似ていたり、共有する世界を持っていたり、共通体験がある相手だと伝えやすいのは確かなのだけど、それでも、上手く受け止められず、上手く伝えられず、お互いが望んだように理解し合えずに、癒し合えなかったという、なんだか取り残されたような複雑な感情に沈んだりした。
それでは、せめて相手から放たれた言葉を聞くことはできるだろうと、受け止めようとする意志をもって向き合ってみても、それが他意がないと理解しているにもかかわらず、押しつけられると苦しかったりする。相手には相手なりの価値観があるのに、大切にしているものを雑に扱われた気がして我慢できなくなる時に似たような、そんな感情を抱いたりもした。
上手く言えないのだけど、もっと大変だった人がいたとか、そんなこと大したことではないじゃない、といった感情がどこか奥深いところにあったりして、やっぱり自分のあの時の体験をすんなりと表現できないままなのです。

いつか、朝焼けを美しいと思うのと同じように、あの時の感情を上手に表現して伝えることができるようになりたいと思いつつ、今朝も黙祷をささげた。