GREENLAND

エム・ヴイ・エム商事株式会社の扱う野菜・果物に関する商品や産地、販売情報から、生産者、栽培方法、旬、栄養、保存方法、レシピ、美味しいお店、果ては会社や仕事の、楽しさ、新たな発見、感動、熱い想いなどなどをスタッフが綴るブログ。

京都伏見

営業第2部 S水です。家人が新社会人として勤め始めて1ヶ月。マンション1室を借りきった社員寮での4人の共同生活という待遇で1年間過ごします。試用期間中(3ヶ月)は毎日が、数学・英語・パソコンスキルの試験の日々と仕事の厳しさを味わっているそうです。但し、会社員暦35年目の親よりも会社休日が断然多い!?という現実は私の方が苦笑いで受け止めています。
その勤務場所は「京都伏見」。引っ越すのに 何回か伏見散歩するという縁もあり、今回は街角ウォッチングいたします。

周りの町名が奉行、風呂屋、魚屋、銀座、紺屋、鷹匠、駕籠…などなど、地名の起りのわかりやすさは一目瞭然この上ナシです。地名と言えば、京野菜は、賀茂なす聖護院大根、桂(むき)大根、壬生菜など生産地区名を冠した野菜が数多いですが、地名はそこで育まれた歴史を今に残す大事な役割を果たしていますね。寮のすぐ近くに坂本龍馬が関わった寺田屋があるという…いきなりの歴史との遭遇 から始まり、伏見稲荷伏見桃山城などの名跡も身近に点在していることに驚かされます。

さらに懐かしい風景として目に飛び込んでくるのが、酒蔵の数の多さ、大きさです。
かつては“伏水(ふしみ)”といわれた良い水に恵まれ、良い米(山田錦)を原料として 上質の清酒メーカーのメッカとして発展。船便*1を操り、淀川を上下して消費地である大都市間の流通を制し清酒蔵元はかつて 地場産業の代表格を誇り、今もその風情を残しています。代表例は 月桂冠、黄桜など。
酒造りが地場産業という点では 灘の生一本、灘五郷*2を誇る われらが地元「神戸灘」とはともに兄弟の関係かも知れません。こちらの代表例は 白鶴、菊正宗、大関など。
酒造メーカー勤務だった生真面目な母が酒にまつわるジョークをふたつ教えてくれました。
「さぁ飲みや(三ノ宮 )、二升飲みや(西ノ宮)、うめぇだ(梅田 )」
「祝い酒 とかけて 4.5リットル  ととく その心は  
ますます繁盛=升升半升=1.8+1.8+0.9(=4.5リットル)」

最近呼んだ古本文庫本に、司馬遼太郎宮崎駿の対談本がありまして、その中で司馬遼太郎宮崎駿に「京都の夜陰に現れる 物の怪(もののけ)を題材にアニメ映画を作れませんか?」と投げかけています。それがヒントで「もののけ姫」の製作が始まったことは容易に想像できます。京都の夜と、本物同士の会話には凄いのが潜んでますね。

時代の風音 (朝日文芸文庫)

時代の風音 (朝日文芸文庫)

*1:船便…落語「三十石船」を聞くと往時の賑わいが偲ばれます

*2:灘五郷…魚崎郷、御影郷、西郷、今津郷西宮郷