GREENLAND

エム・ヴイ・エム商事株式会社の扱う野菜・果物に関する商品や産地、販売情報から、生産者、栽培方法、旬、栄養、保存方法、レシピ、美味しいお店、果ては会社や仕事の、楽しさ、新たな発見、感動、熱い想いなどなどをスタッフが綴るブログ。

出会いと別れの春

こんにちは。北海道オフィスの瀬尾です。
北海道は例年より10日〜2週間ほど早く春が来ています。こんなに雪が無く温かい快適な冬は初めてでした。なんと3月末より岩見沢地区では玉葱の定植も始まったようです。これまでの常識からすれば考えられないことなんですが、産地も段々と変化していくものとして生暖かく見守りたいものです。

さて、3月4月といえば出会いと別れの季節です。今年も例に漏れず取引先や知り合いなど様々な人との別れのシーズンだった。僕が札幌に住み始めてから、かれこれ丸3年になろうとしているのだけれど、ここ2年ほどお世話になっていた美容師が3月末で東京へ旅立った。
彼との出会いは2年も前の事だった。僕は札幌に住んでからの1年間散髪の時はホットペッパービューティーで毎回初回特典を利用して格安な料金でヘッドスパ付きのカット等を楽しんでいた。美容室というものは最初の3回目くらいまでのお客には妙に手厚いものだ。リピーターを獲得するために札幌くらいの政令都市ともなれば競争はさぞ熾烈なことだろう。そんなある日僕は1軒の美容室にwebから予約を入れた。いつものように。

その店に到着し席に案内されるとエグザイル風の男が僕の前に現れた。妙に感じのよい彼は西岡と名乗った。まあ、あまり無愛想な美容師もそんなにいないのだろうけれど。そんな西岡は僕にいろんな提案をしてくれた。今流行のオシャレ73で行きましょう。僕はそれなら加藤浩次風にしてくれとリクエストした。カットが始まる。軽快なリズムで西岡は僕の髪を切っていった。出来上がりには概ね満足だった。彼は僕にこの髪型ならジェルがお勧めです!と1本まるまる渡してくれた。こんなことされたらいつもの初回荒らしの手が使えないじゃないか。僕はこうして次からも彼の店に通うことになったんだ。

こうして僕は2年にも渡る彼との付き合いが始まった。西岡は毎度毎度違う髪型を提案し、勝手に実行した。僕の許可もなく。時には微妙なときもあったんだけれど、僕は毎回リクエストするのがいつの間にか面倒になっていたようで西岡にお任せすることが心地よくすらあったのかもしれない。


そんな2015年2月のある日1通のメールが届いた。



「私、西岡は3月末で札幌を離れることになりました」と綴ってあった。僕は当初、東京からの出店できている店だっただけに異動になったのかと考えていた。3月に入りお別れのあいさつを兼ねてその店を訪れた。僕は西岡に単刀直入に訪ねてみた。「東京のどこのお店に異動になったの?」と。すると西岡は何やら言いづらそうな表情でこう言った「まだ、決まってないんです」。僕はその西岡の一瞬曇った表情から全てを読み取ることができた。

つまり彼は東京に戻り独立するんだ、と。

僕も転職の経験があるから判るのだけれど、会社というものは入社することより退職するときの方が遥かに精神的にしんどいものだ。お客さんを多数抱えていたり、技術を持っているなら尚の事であろう。業界は違えど本質部分はどの世界も同じに違いない。僕は西岡に言った「絶対に成功しろよ!」これ以上の言葉は掛けられなかった。
僕は今思えば大学生の頃、ださいリクルートスーツに身を包みなかなか内定が出ないことに思い悩んだことなんて今となってはちっぽけなどうでもいい悩みだったし、ちょうど3年前は如何に立つ鳥跡を濁さず会社を去ることが出来るか悩んだり、最近では僕の作業を全て請け負っていてくれた協力会社が突如倒産し、明日からの仕事をどうするか悩んだりしたことなんて西岡のこれからの資金繰りであったり、同業者との競争と比べればちっぽけなものだ。
それでも僕は西岡を応援したいんだ。

GOOD LUCK !!





そうそう、約1年振りのブログ更新となってしまったこと本当にごめんなさい。

どうにも前回のブログ更新から書きたいことがなかった。いや、書けなかった。

玉葱のビジネスで自分の自分の思い描いている方向性と、実際の進む状況にギャップがありすぎて暗い気持ちのまま1年が過ぎてしまったというところだ。

どうやら玉葱の世界はドラゴンボールの世界によく似ている。

強い敵が現われる→最初はやられる→修行して強くなる→敵を倒す→もっと強い敵が現われる(←僕は今ココ)というループ構造をしている。

敢えて例えるならばフリーザを倒したスーパーサイヤ人1くらいの戦闘力しか無いのが現在の僕の実力だ。今まさに僕が立ち向かっているのは他ならぬ人造人間(セル)編なのだ。そしてセルを倒したあとは魔人ブウが待っている。僕はこうして少しづつ巨大な敵を倒すために修行を重ねていくんだ。

スーパー青果人として。