GREENLAND

エム・ヴイ・エム商事株式会社の扱う野菜・果物に関する商品や産地、販売情報から、生産者、栽培方法、旬、栄養、保存方法、レシピ、美味しいお店、果ては会社や仕事の、楽しさ、新たな発見、感動、熱い想いなどなどをスタッフが綴るブログ。

読書の秋

家族全員が夢中でTBS日曜劇場「半沢直樹」を観ている横で、私はKindleを片手にここ何日かに読んでいた本を読み終わって、その余韻に浸っていたのでした。

平均世帯視聴率は30%超えと言われる大人気ドラマの最終回は「1000倍返し」が炸裂し、スカッとしたと家族は満足気な様子でしたが、ちょっといまは気持ちのギャップが大きいわと感じたので、私はそっとリビングからキッチンに移りました。(苦笑)

改めて、この本には心が整ってゆくような安らぎがありました。

大和田常務や黒崎検査官のような濃いキャラの変な?嫌な?ヤツが一人も出てこない、むしろいい人しか登場しない、ほっこりと心があたたかくなるお話なのだ。

舞台は、昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いにある「ちどり亭」。旧家のお嬢様の花柚さんが花嫁修行として幼い頃から修行し続けた料理の腕を使って京都で開いた仕出し&弁当屋さんで、そこで働く大学生彗太くんが主人公です。
花柚さんはすごく可愛らしい。自分で「ライフワークはお見合い」と言っている通り、毎週お見合いに出かけては残念な結果に終わっているようなのだけど、こんなに無邪気で可愛らしい女性のお見合いがどうしてうまくいかないのか?不思議。花柚さんのお料理への情熱は熱く、高く、深く、割烹着姿で自画自賛しながら、丁寧に作りだしていくお料理は一品一品きっちり手間と愛情が込められている。どこかのんびりした雰囲気を持ちながらも、お料理となるとしっかりしてて、グッとくるお言葉を口にするのです。

お弁当は、家を出た家族が遠く離れたところで食べることを考えて作った物でしょう。持ち運べる『家庭』なのよね。自分のためのお弁当だって、未来の自分のための思いやりなの

読み進むうちに、お料理をいきいきと愛を持って作っている花袖さんの姿に自然と元気づけられ、癒されていくのでした。

手抜きするにしても、生活を知ってて手抜きするのと、手抜きしか知らなくてやるのは違うんだよ

料理を美味しく作るコツは面倒くさがらず、一手間をかけること。些細に思える手間が、料理の味に直結する。
食生活をメインに描かれる、登場人物たちの生活。恋の行方。少しの工夫でお料理はこんなにも美味しくできるのかと...いつもよりももっと丁寧にお料理をしてみたい。そんな気持ちにさせられてしまう。日々を丁寧に、前向きに生きていかなくてはと思わされる本なのでした。

シリーズになって出ているので、秋の夜長に気軽な気持ちで是非読んでみてください。