GREENLAND

エム・ヴイ・エム商事株式会社の扱う野菜・果物に関する商品や産地、販売情報から、生産者、栽培方法、旬、栄養、保存方法、レシピ、美味しいお店、果ては会社や仕事の、楽しさ、新たな発見、感動、熱い想いなどなどをスタッフが綴るブログ。

「会席」ではなく「懐石」

料亭で出される豪華な食事というイメージが強い「懐石料理」ですが、よく混同される「会席料理」とは違うということをご存知でしょうか?
日本料理「懐石」は、元々は茶の湯の世界で来客をもてなすためのお料理として、茶道の祖である千利休が始めたといわれています。禅宗の修行僧の食事は簡素で、日に一度だけ。満足に食事を摂らないと体を温める機能も低下するため、懐に温石を入れて暖をとりつつ空腹をやわらげていたというわけです。そんな温石のように体を温め、空腹をやわらげる食事、という意味で、茶道のお茶の前の簡単な料理を「懐石」と呼ぶようになったそうです。和食の基本でもある「一汁三菜」のスタイルで、ごはん、お吸い物、3品のおかず、香の物で構成されていました。三菜にあたるおかずは、なます、煮物、焼き物の3種。しかし現代のような豪華な「懐石料理」は、茶道とは離れて発展し、品数が徐々に増えていったといいます。そこで「茶懐石」と区別するために現在料理屋で広く扱われているものを「懐石料理」と呼ぶようになったそうです。

そして「カイセキリョウリ」と音が同じなので紛らわしいですが、お茶を飲む前の作法ともいえる「懐石」とは違い、お酒を飲むための料理が「会席」。「会席料理」はもともと懐石や本膳料理をアレンジして、お酒などに合わせて独自に発展していった日本料理の形式のようです。「会席料理」は大勢が集まるお酒の席で出されるもてなし料理ということらしいので、私たちが普段食べる機会が多いのはこの「会席料理」のほうです。

さて、前置きが長くなりましたが、本来であれば期末ですから社員全員での「会席料理」を食す慣習がありましたが、コロナ禍であります故に「各所属部署にて申請すれば会社から食事費用が出ます」と粋な計らいがありました。

飲まない+夜は早く帰宅したい組としては「会席料理」ではなく「懐石料理」にしようと、普段ならお高くてとても行けない、もしくは人気過ぎてなかなか予約がとれないというお店のランチを狙って「豪華懐石料理ランチ懇親会」を3名で決行。楽しんでまいりましたので、ご報告です。

 

日本料理「十三蔵」

隠れ家っぽい感じですが、和食らしい上品ですっきりとした佇まいの入口の扉を開けると全体が木造の作りになってて清潔感があり、5席のカウンターに大部屋と小部屋の個室があるこじんまりとしたお店です。なかなか予約が取れないお店で、大将と女将さんのご夫婦でお店をされているとの事なので、しょうがないのはわかっているのですが、予約を取るタイミングが難しかったりしていました。コロナ禍になって初めて良いことあったなぁ~と思っていたら、お料理がきました。

本日いただいたのは月替わりの懐石ランチ。
先付、お凌ぎ、お椀、向付、八寸、炊き合わせ、ごはん(鯛茶漬け)、水菓子...
もちろんすべてのお料理の写真を撮ったのですが、最初と最後にでてきた写真2枚だけご紹介。(同じものは出ないかもしれないけれど、全部見てしまうとお店に行った時の楽しみが半減すると思うので...自粛)

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最後の水菓子の「ほうじ茶プリン」と

最初に出てくる先付の「菊菜の胡麻豆腐~柚子の花とクコの実添え~」

写真左右側の胡麻豆腐にトッピングされている白色が柚子の花だそうで、口に入れてみると柚子の香りがほんのりとして食欲のスイッチをくすぐります。そしてスプーンを使って出し汁と一緒に胡麻豆腐を口に入れると、それはそれはもう菊菜と胡麻の風味と美味しさが溢れて一気に幸せな気分になりました。

写真左側のほうじ茶のプリンがまた濃厚かつ口当たりよく、トッピングの粒あんが程よく甘くねっとりやわらかくたかれていて、さっぱりとしたほうじ茶プリンと一緒に口に入れると美味しいのです。

見る楽しさと、香る楽しさ、食べる楽しさ、次の料理が楽しみになる期待感、料理を食べる度にテンションが上がる上がる。
本当にどれもこれも繊細で手が込んでいて、料理の盛り付けは然ることながら、味が美味しすぎる。全体を通して全て一品一品、それぞれ味がはっきりとしていて、とてもとても美味しかったです。ご馳走さまでした。

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